革の加工
革はその製造過程や仕上げ処理によって様々な表情をつけていきます。HAMANOでは各バッグの用途やデザインイメージに最適な表情を持つ革を厳選し、制作を行っています。
ここでは主な加工過程である、鞣し(なめし)と仕上げの手法をご紹介します。
革の鞣し(なめし)
革は動物の皮を鞣す(なめす)ことにより、製品素材としての革となります。代表的ななめし方にはクロムなめしとタンニンなめしがありそれぞれ風合いや特徴が異なります。
クロムなめし
硫酸クロム塩を使用してなめす方法です。柔軟で伸びのある、弾性の強い革になります。染色性にも優れ、均質で安定した革となります。
タンニンなめし
19世紀にクロムなめしが考案されるまで、古代から最も一般的に使われていた方法です。植物などから取れるタンニン(渋)を使ったなめしで、自然の風合いが残ります。堅牢で伸縮性が少ないのが特徴です。
混合なめし
上記2種、あるいはそれ以上のなめしを組み合わせたものです。現在様々な革製品のために、多種多様のなめし方法が研究されています。
革の仕上げ
仕上げはデザインを決定する重要な要素です。同じ牛革でも仕上げによって全く違った表情になります。
ここでは、HAMANOデザインで使用されている様々な仕上げ方法の中から代表的な一部をご紹介します。
ヌメ革
植物タンニンでなめした後、染色していない革のこと。ベージュ色ですが、使っていくうちに濃い茶色へと変色していきます。変色の過程も魅力的な革です。
スエードとベロア
革の裏側を毛羽立たせたもの。比較的小動物の皮で作られ、毛足が短いものがスエード。毛足が長く、大型動物の皮から作られたものがベロアと呼ばれます。
シュリンク
シュリンクとは「収縮」の意味。なめす過程で熱や薬品により、表面を収縮させシワやシボを出した革です。
もみ革
なめした革の表面を手や機械などで揉んで、シワやシボを付けた革です。
型押し
革の表面にデザインした型をプレスして模様をつけた革です。シュリンクやもみ革と違い、クロコ柄など好きな模様をつけることが可能です。
エナメル
革の表面に油や樹脂を使って光沢膜を作った革で、鏡面のような光沢感が特徴です。パテントレザーとも呼ばれています。
ガラス張り
なめし後に、ガラスまたはホーロー板に特殊な糊で張り付け乾燥し、表面にサンドペーパーをかけ、顔料と合成樹脂で表面を平滑にしたものです。